日新シール工業株式会社
内部の酸素や水分を吸収し、部品の寿命を伸ばす被覆材料を開発
飲料水などのペットボトル用のシュリンクラベルや、食品包装用のラミネートフィルムなどのグラビア印刷を主要事業に、着実に業績を拡大している日新シール工業(株)は、平成18年に商品開発研究センターを設立。
これまで培ってきたフィルム加工技術をベースに、新製品の開発に本格的に着手しました。その成果である画期的な被覆材料は、電子部品や精密機械などの劣化を防ぐ効果が期待できます。今回「精密部品の寿命を大幅に伸ばす被覆材料の開発」として「特定研究開発等計画」の認定も受け、早期の実用化をめざして開発を進めています。
500mlペットボトルの登場で、業績が飛躍的に拡大
日新シール工業(株)の前身は、昭和5年に現社長の祖父である創業者が堺市で綿織物業を創業したことが始まりです。戦後、綿織物の衰退を機に、2代目の堀川秀男氏がシュリンクキャップシールの加工に事業を転換し、昭和56年には現社長である堀川昇氏が法人に改組。その後、グラビア印刷機を導入して、印刷部門を新設するなど業績を順調に拡大してきました。
同社の現在の主要事業は、ペットボトル飲料水などに使われるシュリンクラベルや食品などの中身の劣化を防ぐ包装用のラミネートフィルムなど、特殊フィルム向けの印刷および加工です。シュリンクラベルは需要が年々伸び、特に12年前に500mlペットボトルが登場したことで、飲料水向けの需要が急速に拡大しました。同社では、長年にわたってシュリンクラベルの専業として技術を蓄積し、また塩ビ系からポリエステル系へのラベルの素材転換にもスピーディーに対応してきたことから、その需要の波をキャッチし、業績を伸ばしてきました。
電子部品の信頼性を高める画期的な被覆材料を申請
同社では需要の拡大に合わせて最新設備の拡充を行うとともに、将来の事業の柱となるような商品を開発するために、平成18年に商品開発研究センターを設立しました。開発部門の立ち上げから1年が経過し、少しずつ実績が上がってきたところに、取引銀行から今回の「特定研究開発等計画」を紹介され、研究成果の一つである画期的な被覆材料を申請することを決めました。
従来、食品の包装などに使われる被覆材料は、内容物の酸化やカビなどの発生を防ぐために、外部からの有害分子(酸素や水蒸気、カビなど)を防ぐ機能を備えていますが、包装したときに内部に入った有害分子はそのまま残ってしまいます。そのため、真空状態での包装や窒素の充填、乾燥剤を入れるなどの方法がとられてきました。今回同社が開発した被覆材料は、内部の酸素や水分を吸収することで、内部環境の酸素濃度・湿度をコントロールできるという画期的な機能を備えています(下図参照)。
電子部品・精密機器分野のものづくりに大きく貢献
この被覆材料は、食品や医薬品はもちろんですが、酸素や水蒸気で劣化を受けやすい電子部品や精密機器にも活用することができます。そこで、「特定研究開発等計画」では「精密部品の寿命を大幅に伸ばす被覆材料の開発」として申請書を作成し、認定を受けました。
「認定を受けたことで、商品開発に携わる社員の志気が高揚し、人に喜んでいただけるものづくりへの使命感が高まりました。今年10月に開催されるパッケージ業界の見本市に出展するために、さらなる開発を進めています」と、堀川昇社長。
実用化すれば、特に電子・精密分野のものづくりに大きな貢献ができ、同社にとっても新たな事業分野を構築できることになります。認定で社員のモチベーションが上がったことを追い風に、早期の実用化をめざしています。

堀川 昇 社長

主力商品であるペットボトル飲料水向けのシュリンクラベル
会社概要
| 会社名 | 日新シール工業株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 堺市美原区木材通4-2-11 |
| TEL | 072-362-5593 |
| FAX | 072-362-6514 |
| URL | http://www.nissinseal.co.jp/ |
